子どもの成長と共に、大切に使ってきたランドセル。
いつかはその役目を終える時が来ます。
小学校生活の6年間、毎日使い続けたランドセルには、たくさんの思い出が詰まっています。
しかし、長い年月の中で雨風にさらされ、保管場所によっては残念ながら劣化が進んでしまうことも少なくありません。
ゆくゆくはランドセルを小物にリメイクしようかなと考えている場合、劣化したランドセルはリメイクにおいてはネックになります。
傷汚れ程度であれば風合いとしてプラスになり、リメイクに問題はありません。
生地の劣化が見られる場合は、そもそも加工に耐えられない状態として残念ながらリメイク工房で断られてしまいます。
この記事では、ランドセルの劣化原因や具体的な症状、そして劣化してしまったランドセルのリメイク方法の可能性について解説します。
ランドセル劣化の原因とは?
まずは劣化の主な原因です。
- 使用条件(年数・天候など)
- 保管場所
知らず知らずのうちに劣化を招いていないかチェックしてみましょう。
使用条件(年数や天候)に左右される
使用年数によってランドセル状態に差が出ます。
中には途中で使うのを止めたというお子さんもいるでしょう。
その場合は、6年間使用した場合に比べてランドセルがキレイな状態なのは明白ですね。
長く使えば使う分だけ、雨や直射日光にさらされることが多いランドセル。
劣化の影響をとくに受けやすいのがカブセ部分です。
リメイクする場合、大半はカブセ部分から素材を使用します。
なので普段からカブセ部分のケアには気をつけたいところです。
雨に濡れたらそのつどタオルでふいて乾かしておけば、大きな劣化を防ぐことができます。
保管する場所が適切でない
たとえ6年間キレイに使っても、その後の保管場所にも気をつけておきたいものです。
直射日光が当たる場所や湿気の多い場所での保管は、素材の劣化を早めます。
湿気の多い場所に保管すると素材が水分を吸収し、乾燥後にひび割れが生じることがあります。
また直射日光に長時間さらされることで、紫外線により生地を傷めてしまう可能性も。
具体的な劣化の症状
ランドセルリメイクを検討する場合、素材の劣化が気になるところですよね。
よくある劣化の症状は以下のとおり。
色あせ | 紫外線が直接当たることにより色あせる。 |
ひび割れ | 乾燥や湿度変化でなりやすい。 |
型くずれ | ランドセルの上に乗るなどして無理に力がかかり型くずれをおこす。 |
金具の劣化 | ベルトのバックルやファスナーなどの金具部分の劣化やサビ。 |
ステッチのほつれ | 縫い目のほつれや糸の劣化。 |
中には、「肩ひもが取れてしまった」「傷汚れがある」なんて場合もあると思います。
リメイクの場合はひび割れ以外は深刻な問題にはならないのでご安心を。
傷汚れはむしろビンテージものって感じで、味わいのあるリメイクになります。
子どものランドセルにも傷汚れはありましたが、リメイクには問題なく、財布に生まれ変わりました。
本革と人工皮革の耐久性 普通に使えば問題なし
よく本革は水(湿気)に弱いと言われますが、それは防水加工されていないから。
今時の本革ランドセルなら防水加工がされているはずなので、このような心配はありません。
一方、人工皮革はお手入れが簡単なのが最大のメリット。
水濡れ、泥ハネはサッと拭くだけでOK。
私が小学生のころ、ランドセルに入れた水筒からお茶がこぼれて、全体的に濡らしてしまいましたが水シミにならず(内部はシミになった)ホッとしたのを覚えています。
耐久性の面で言えば、本革の方が人工皮革よりも長持ちしやすいです。
とはいえ普通に使っている分には、違いはほとんど見られません。
劣化に関してはどちらかというと、ランドセルを使っている間より保管している間の方が関係してそうですね。
劣化したランドセルはリメイクに影響する?
冒頭でも言いましたが、カブセ部分に劣化があると、リメイク自体を断られるケースがほとんどです。
状態が悪くてもリメイクしてくれる工房もないわけではありませんが、リメイクに制限があったり、加工に耐え切れず壊れてしまう場合もあります。
小物リメイクなら可能性はある
財布などの生地を大きく使うリメイクではなく、キーホルダーや小さなアクセサリーへのリメイクなどを検討してみてはいかがでしょうか。
生地全体がボロボロなら難しいかもしれませんが、場合によっては損傷の少ない部分を使ったリメイクができるかもしれません。
ちなみに伊藤鞄製作所では、劣化のあるランドセルを風合いとして、劣化を活かしたミニランドセルへのリメイクを紹介しています。
日頃のお手入れで劣化を食い止める
劣化を遅らせるためには、日常的にお手入れするのが一番です。
すぐにでもできそうなのは、ランドセル内に乾燥材を入れたり、収納スペースに湿気取りを置くことですね。
今現在も使用中であれば、ランドセルカバーを使って水濡れなどからランドセルを守ることもカンタンにできそうです。
日頃から負担にならない程度にランドセルを気にかけてあげて、劣化を食い止めましょう。
まとめ:リメイクをお考えなら早めの注文がベター
定期的なメンテナンスなんて面倒だな…と思うなら、状態のいいうちにリメイクに出してしまうのがベター。
リメイクをする際は、とにかく早めの判断がカギです。
「この状態ってリメイクできないのかな?」と判断しづらい場合は、劣化が進む前に工房に問い合わせてみましょう。
丈夫なランドセルもいずれは劣化します。
すでに劣化してしまったランドセルは、状態が良くなることはありません。
これ以上の劣化をくい止めるために、できることはしておきたいですね。