転勤族のわが家。
そのため子どもは何度も転校するはめになります。
一度学校に入学したら卒業までいる子と違って、転校のたびにお友達の名前や学校ごとのルールをまた覚え直さなければなりません。
みんなは何年もいるから当たり前に知ってても、自分だけ何も知らない。
転校したては友達もおらず、右も左もわからない状況でやっていくのです。
大人ですら出勤初日は緊張するのだから、意思表示の少ないおとなしい子には、相当なプレッシャーに違いありません。
さて、次の転勤の話が出た時のこと。
その時に出会った本の話です。
おとなしい子の転校 学校探しも骨が折れる
わが家は転勤スパンが約2年ごとと短かったので、中学年までにすでに2回は転校しています。
転勤の度に評判のいい学校の情報をリサーチしても、結局本人が「なんか嫌」と思ったらそれは本人にとって合わない学校になります。
ささいなことが不快に感じたりするわが子なので、毎回学校になじめるかヒヤヒヤするんですよね。
それがダメなの?っていうことが多くて大変
とはいえ転勤族である以上、どうすることもできません。
夫と二人でその都度フォローして、せめて家では安心してのびのびできるようにしてあげるくらいで精一杯なのが現状です。
「おとなしい」に見え隠れするHSCという性質
HSCとは(Highly Sensitive Child)の略。日本語では「繊細な子」、「人一倍敏感な子」と訳されます。
以前よりそれらしい傾向はあったのですが、おとなしいという性格しか見ておらず、気づくことすらありませんでした。
読むきっかけになったのは、学校に上手く通えなかった時期があったから。
実際本を読んでみてはっきりとわかりました。
わが子の説明書かというほどの内容です。
何なら私も当てはまるくらい。
時々専門的な小難しい話もありましたが、「わかるわかる」とページをくる手が止まりません。
その中で、印象的だった性質を挙げてみます。
大きな音、人ごみが苦手
HSCの特徴の一つに、大きな音や人混みが苦手というものがあります。
テーマパークに行ったとき、わが子がアトラクションの大きな効果音にビックリして泣いてしまったことがありました。
正直私もかなりウルサイし不快だなと思ったくらい。
例えるなら、最前列で音楽フェスとかこんな感じなのかなと思うくらいの爆音。
ところが他の人は普通に楽しんでいるのです。
自分たちが場違いなのかな?と思いつつ、子どもはこれ以降大音量のアトラクションを避けるように。
結局テーマパークはほぼ見てるだけで終わりました。
人混みだったのも合わさって、心身ともにとても疲れてしまったようです。
遊びまくって疲れたのではなく、いろいろあって気疲れしたという言い方が近い感じです。
おとなしい性格の人なら共感できる節があるのではないでしょうか。
完璧主義で融通が利かない
完璧主義で融通が利かないというのも特徴としてあります。
ありがたいことに、よく子どもの書く字がとてもきれいだと先生からほめられることがあります。
本人もほめられると嬉しいので、ますます漢字の書き取り宿題をきれいに書けるよう頑張るんですね。
ちなみに1ページを終わらせるのに2〜3時間かかります…。
もちろん宿題はこれだけではなく、他にもあります。
おかげで集中力が途切れないようサポートするこっちも大変。
お手本のように書いてやっと完成させたノートに、先生の赤ペンが入り泣いてしまうこともありました。
正しい漢字を書いているから大丈夫だよとフォローはするのですが、ただ本人はシクシク泣いてばかり。
見本通りの字をそっくりに書いたのに、なぜダメなのか納得できないのです。
問題点を指摘されても、おとなしい子は言い返すほどのタフさがないので、結局泣き寝入り。
(これから先、思いやられそうな感じがするでしょ?)
極端な偏食
HSCは偏食が多いです。もれなくわが子もそうでした。
などです。
特に薬は困りました。
飲みやすいよう甘い味にしてもらっているのに、それが受け付けないとか予想していなかったのです。(もう一人の子は粉薬を水無しで飲む豪快な性格だったから余計に)
ご飯は完食できるものが少ないので、食事を作るこちらが苦労を強いられます。
環境の変化が多いと負担
HSCの場合は、そうでない場合と比べて環境変化への精神的負担度が半端ないです。
学校では騒ぐわけでもなく普通にしているのに、家に帰るとクタクタになる。
自分がどのようなふるまいをすべきか考えるだけで精いっぱいなんです。
全方位意識を飛ばしているから、どっと疲れてしまう。
かといって鈍くなろうにも簡単にはなれないんですね。
勝手に脳が情報をあれこれキャッチする感じになります。
自己表現が上手くないおとなしい子は、ただ耐えるのみという状況になりやすいです。
わが子を見ていると、外ではおとなしく、家ではわがまま放題なのも心身のバランスを知らず知らずのうちに取っているんだろうなということが分かります。
ガス抜きできるうちは健全なんですね
だからこそ、
これが一度にどっと押し寄せる転校って、HSCにとって相当なストレスなんだと想像できます。
HSCの生活はグレーゾーンを作ると気楽
HSCとの生活って意外な地雷を踏むことが多くて、親でもしんどいです。
子ども同様、やるならとことんやり、手を抜けばとことん抜いてしまう性格の私は、ちょうどいい加減が簡単ではなかったりします。
この親にしてこの子あり
グレーゾーンを作ると精神的に楽だし、生活しやすくなっていいですよ。
みんなが意識せずやってることが、なぜかハードルを感じるのがHSC。
「白でも黒でもない。でもちょっとくらい枠からはみ出してもまぁいいか。」とそういう考え方ができるようになるといいですね。
まとめ:HSCのわが子はかつての私でもある
HSCのわが子を見ていると、かつての子どものころの私だなと実感します。
HSCの生きづらさや窮屈感は、年を取ると少しずつ薄れていくのだそう。
許容できたり、経験が増えて対処できるようになったりするからでしょう。
私も、子どもの頃の鋭い味覚や感覚は和らいできているなと感じています。
だからわが子の繊細さも、年をとれば落ち着くだろうと思っています。
大事なのは、HSCであることの性質にとらわれすぎないこと。
HSCだから、あれはできないこれはしないと決めつけるよりも、HSCでこんな状況苦手だから、代わりにこうしようってする方が経験不足をカバーしやすいと思うんです。
まぁ分かっているけど、なかなか上手にできないんですよね。
そんなときはヒントをもらうつもりで、この本を読み返すのがいいですね。